一体何時ごろからデラックスになったのか。
読み終わって解けない謎が一つ残る。
一気読みした。
どこかのブログで書評を読んで図書館で借りてきた。
吾はいつもそうだよな。
どこで見た、というのを本当に奇麗さっぱり忘れてる。
今年の抱負に「出典・出所を忘れない」を追加しておこう。
さておき。
一冊だけのつもりだったけど 面白かったんで続き全部あっという間に読んじゃった。
読みやすい分量だったのもあるけど、中村うさぎもマツコ・デラックスも今までのイメージとはだいぶ違うんだな、って認識をあらためた。
特にマツコ。
眼光が鋭くてふてぶてしくてふくよかな女装ゲイだと思ってた。
なんかの番組でゴルゴみたいな眼で水鉄砲いっぱいカメラに撃ってたのが印象に残ってたけど、これらの本だとめっちゃ真人間。
てか40にもなって母親の影から逃れられないって勝手に親近感抱いてしまったぞ。
理屈抜きで影響バカでかくて、自分の内心で母親をどう処理したものか悩んでる感じが身につまされるようで。
マツコの方が事情が事情だけにより深い葛藤とか煩悶があるんだろうなってのは想像できるけど、同じところでうだうだグルグル回ってる感じが、なんというか、分かる。
基本的にジメッとした感じのダラダラ続くだけで、うさぎはうさぎで愚痴っぽい割に突っかかってくるしマツコも微妙に返しが外れてるような気がするし、いろいろ微妙なんだけど、なんでかずっと読んでしまった。
二人のダラダラグダグダしてるけどガチで迷ってる感じが潔いと感じたのかも。
どっかでオチつけようとするのが自然だろうけど、どっちもあんまりそういうの意識してないようで、同じような話題がループしてる。
先に進まないけど、この先に進まない感じがとても面白い。
じわじわ進んでるように見えて、また振り出しに戻ってみたり。
そんだけめんどくさいテーマに取り掛かってるから、なんだけどどっちも途中で放り出そうとしないのがいいね。だいたいマツコが雑に投げ出しかけると、うさぎが食い下がる。これでマツコが追い詰められるというか、深く考え抜かなくてはいけないような状況に追い込まれて、それでもなお逃げないってあたり、大したもんだと思った次第。
タレントさんてワーキャーやってるだけだと勝手に思ってたけど、偏見だった。
吾はまだまだ狭量な檻の中に閉じ込められているのだわ。
知ってる人はとっくに知ってたことかもしれないけど、マツコってまともなんだなぁ、と深く見直しました。
明日からTVに出てるマツコを見る目が変わってしまうかもしれないけど、お奨めです。