afurikamaimaiのブログ

この道は行き止まりだ。引き返せないよ。

よい夢。

たまにとても奇麗な夢を見る。

こういう夢の続きこそ見てみたいのだと思うけど、ままならない。

話の流れのようなものもあったが、これはたぶんどっかでみたSFとかそういう奴のパクリやな、割とどうでもいい。

書いて残してみたところで、夢の光景の再現率は異常に低いままに留まっているのだけれども、それでも以前よりは思い出す歩留まりが良くなった気はする。

厭な夢ばかり書いてたけど、思い出すきっかけになるのなら、良い夢のほうを書き残しておいたほうが気分がよろしい。蟲の夢を書き残しておいて、たまたま過去記事見て「あー」って厭な気分を思い出すよりはよほど。

そうした次第で書く。

誰得かっていうと吾得な話。

 

田舎の祖母の家に泊まってるところから始まる。

たぶん他にも泊まってる奴はいるけど、どういう事情で集まってるのかは知らん。

祖母は存命。

みんなまだ寝てるけど目が醒めちゃった吾は、散歩に出ることにする。

夢の中で「目が醒める」っておかしな気分だ。

祖母の家は小さい山の中腹あたりにあって、ふもとにはこれも小さな漁港があって、その周りにこじんまりとした集落と、この辺でただ一軒の雑貨屋がある。ところどころ記憶と違うけど、おおむね実際の田舎の光景を再現しているような景色。

港のほうまで歩いてみよう、と思ったら次の瞬間には着いてるのでほんとうに夢は便利である。

そうして港のほうまで来ると、もうお日様が昇り始めてるのね。

どうでもいいが吾はああいう夜明けの時間は西の空のほうが好きである。しぶとく居残ってる星とか夜とか、けっきょくすぐ負けるけどふんばる連中の諦めの悪さが好き。

もう夜とは言えないよね、ってくらい暗さが薄くなっても、空自身は「いや夜ですがなにか」って思い込もうとしてる感じの色。

今日もそれを眺めようと、昇り始めてる朝日に背を向けて西の空を見て違和感。

 

天の川まだめっちゃのこっとるやんけ。

 

場面の状況を考えるとおかしいのだが、夢の中ではそうは思わず、日の出と真夜中の光景が同じ空に同居してる。ひょっとしたらそういう空をみた記憶があるのかもしれない。いっしゅんだけ違和感は覚えたけど「まあこんな日もあるか」ってそのまま眺めている。

すると、見る見るうちに天の川がスルスルッ、とすごいスピードで海に沈んでいく。ああ夜明けか(だいぶ早いけど)、って思ってたら明るくなったのはほんの数秒で、また真っ暗になった。ここから昼→夜の入れ替わりがものすごい短時間に進んでいくんだけど、昼の空の印象はとても薄い。いっぽうで夜のイメージはけっこう鮮やかで、瞬きする間に入れ替わるけど、ちゃんと星は瞬いている。

どれくらいそれを続けてたか、昼夜の転換の間隔がさらに短くなって、やがて空では星が渋滞するようになった。前の夜の星が沈みきってないのに、次の夜が来る。

後から後から押し寄せてくる星が、西の空にダラダラ積み上がって、そうして最後には積みきれなくなった星がぽろぽろと海に零れ落ちていく(もろちんこの間も昼夜は幾つも進んでいる)。

昼夜の間隔が短くなりすぎて、空全体が薄いストロボみたいに瞬く中で、星が積み上がって崩れていく、この光景がたいへん奇麗でした。

是非また見たい。

 

この後はだいたい蛇足。

その光景を見て夢の中の吾は、「そういや滅びますぞー、とか言われてたな」って思い出す。

吾の中で、そうして思い出すことで急に夢の中で世界が設定されていくの多すぎ。パターン化しすぎてるが思考の癖という奴なのだろうか? せっかくの夢なのだからもう少しバリエーションがあっても良いと思うが、想像力が乏しいので仕方がないのか。

「いつになるか分からんけど、近い将来人類滅ぶからね」っていう未来予定を世界人類が全員、従容として受け入れてる世界。

滅びますぞー、っていわれて「俺は生き延びるんや!!」みたいなガッツが湧くんじゃなくて「分かったからその時になったら起こして」って構え。

危機が迫ってることは分かるけど、どういう危機なのかは分からんので備えようがないし、というのが人類さんの本音である。

時間の流れがめっちゃ早くなる、という、あさっての方向から飛んできた危機にはみんな対処できてない様子。

こういう裏の事情を、雨も降ってきたし家に戻ろう、という帰り道で思いついて、しかもすんなり受け入れているから夢というのは始末が悪い。

 

・・・夢だからそうなのか分からんけども。吾が状況のおかしさを意識せずにそのまま受け入れる展開が多すぎる。「何でそうなってるのか」って疑問に思わず、ああそうですか、って感じになってる。気力が薄いのは元々だが、さらに輪をかけて無気力である。

 

ストロボみたいな空模様の中から降ってくる雨の一粒一粒は、でかい。

勢いはたいしてないが、当たると痛いくらい。

たぶん一粒一粒が、一日分の雨を示してるんだと思う。

空は晴れることはない。

道路の上ではは時間経過あんまり感じないけど、それ以外の自然の変化が激しい。海の方は変化は良くわからなかったが、森や畑、田んぼは茂ったり枯れたりを頻繁に繰り返す。

稲は青い苗がグングン伸びて収穫されないまま枯れ落ちるのを10秒そこら(夢の中の体感)でこなした後、雑草が茂り始めた。畑も略同。山の方はこれに比べれば変化は薄いが、紅葉や落葉がストロボの空よりはやや短いくらいの間隔で繰り返してるので色の変化はけっこう鮮やかだった。

そうして、祖母の家に帰り着いた。

そこで後ろから老夫婦に声をかけられる。知らない顔。

祖母とは顔見知りで、外の様子がおかしいので不安になってやってきたという。

吾は狭量な人間らしく、滅びの時間が近いのに他人の面倒なんて見てらんねー、ってはっきり表情に出てたと思う。どうやって家に入るのを拒否しようか、って思ってたら家の中から祖母が顔を出して、その老夫婦招き入れちゃった。

仕方ないので吾もその後について家の中に入る。

家の中は暗い。電気をつけてない。・・・というか電気が来てない。

体感1秒でそれまでの1日分の電力を消費してるから、とても燃料とかその辺がもたないんだろう、と見当がつく。

それに暗いといっても、手元も見えないほどの暗さじゃない、薄曇の昼間くらいの明るさ。ストロボみたいにまたたく空は、障子越しなら気にならなくなる。

この様子だと、電気がないと都会のほうがたいへんだろうな、と思いながら畳に寝そべったあたりで目が醒めた。

 

 

蛇足の部分は今まで見聞きした映画やら本やらの影響で勝手にストーリー組み立ててるだけだと思う。あんま新鮮味はない。人間そのもの、人間の作ったものの経過時間は周囲から切り離されてる感じとか、それでいて電気は使えないのはどういうわけか、といったところは細かく考えるとおかしいけど、雰囲気優先なんだと思う。

 

 星が崩れたあたりで夢って気づいてて、そこからは自分勝手にストーリー作ったような印象。でストーリー作る時に雰囲気最優先なので、細かいところは詰めが甘くなる。

詰めが甘くなって細かい矛盾が処理しきれなくなったあたりで限界が来て、目が醒める。

・・・事後的に思い出すとこういう経過であったような気がするが、これも無意識のうちに整合性でっち上げてると思うのであまり真面目に受け止める必要はなかろう。

 

それはさておき、「積み上がっては崩れる星」である。

あの光景はもう一度みたい。久々にちょっと見覚えのない感じの光景。

だいたい「いつかこれ見た」ってなることが多い。

時間経過の早回しもけっこうベタな、TVでよくやる空模様の展開を早送りで・・・って奴から引っ張ってきたんだろうなって分かるんだけど、あのシーンだけはちょっとどこで見たのか、見当がつかない。

 

もう一度見れば、どこで見たのか思い出せる気がする。