「積読」って「つんどく」で一発で変換できた。
・・・余計なことばかり覚えるなこの機械。
ときどき賢さが憎たらしくなる。
舞台設定がいいよね。
敗戦直後(吾は「終戦」なんぞという言葉は使いたくないのです)。まだ半島の戦争特需もない時期。ほんの数年だけのエアポケットのような期間。
半島の戦乱にあわせて、よっしゃあ上げ潮じゃあ!! ってなって雪崩れ込むようにして独立回復して上を向いてアルコールな時代ではなく、なんか生きるエネルギーとかそういうのは一杯あるけど、まだまだ打ちのめされて俯いてた時代。
こういうぼろぼろの空気、それでも生きるべく這いつくばって蠢いてる人間たちの有様が好き。
ボロボロ感では城山三郎の「大義の末」もとてもよろしいのだけど。
アレの主役よりはもすこしバイタリティある感じの永倉が暴れまわるのがよい。
連載モノだったようで、主要キャラは変わらないけど、章ごとに扱う事件は完結してるので読みやすいです。
ただ、その分掘り下げ方が幾分弱いかな、って感じられる面が無きにしも非ず。
4話のうち、特に好みなのは二章の話なんですけど、これもっと膨らましても良かったのに、って食い足りない感があります。
三章、四章などで永倉たちと対峙するキャラクターも一話で退場させるのもったいないなぁ、という濃さ。全体に「これシリーズ化するんじゃないかな?」という雰囲気を感じました。
なので、まだ「第一部」に過ぎない感じがすごい。
終戦直後の本邦を取り巻く勢力図がどんな感じになってるのか、の紹介が一通り終わっただけでまだ大きな事件は動いてない感じがして、これは続けていただかなくては困る、って思う。
一つ一つはキチンとオチがついてるんだけど「この先コイツラどうするんだろう」っていう興味が尽きないんで「これで終わりだよ」ってされるとちょっとええっ、ってなるような感じ。
永倉も藤江も、まだほんのちょっとじゃないですか、もっといっぱい見たいですよ、ってなります。個人的には、三章の秦野がその後どうなったか、特に気になる。
シリーズ化のアナウンスは流れてない・・・ようだけども、これで終わりだといかにも消化不良なので続編に期待します。