いやホントに。
コスト面での騒動はとりあえず脇においといて、安楽死関連にはけっこうな蓄積があるということ。
で、上掲の記事を読んで感じたのは
患者本人の意思確認がなかったとして、被告人は有罪となった。
判決では、
・患者が耐えがたい激しい肉体的苦痛に苦しんでいること
・患者は死が避けられず、その死期が迫っていること
・患者の肉体的苦痛を除去・緩和するために方法を尽くしほかに代替手段がないこと
・生命の短縮を承諾する患者の明示の意思表示があること
の4つが「積極的安楽死として許容されるための4要件」として示され、以降もこれが違法性阻却のための判例として用いられている。
国会において安楽死(尊厳死)はいかに語られているか -「落合・古市対談」を踏まえて - 読む国会
(強調は引用者による)
ここ、と
前回の記事で参照した
①アドバンス・ケア・プラニング(ACP)の考え方を踏まえ、本人が、家族等の信頼できる者や医療・ケアチームと事前に「繰り返し」話し合うことが重要とされたこと
②医療関係者だけでなく介護職員も含めた「医療・ケアチーム」で話し合いを行うこととされたこと
③患者が意思を伝えられない場合に備えて、患者本人と同時に患者が「信頼できる家族等を含めて」話し合いを行うこと、また、患者がこうした者を自らの意思を推定する者として予め定めておくことが望ましいとされたこと
(強調は引用者による)
ここ。
これの不整合に対する立法措置が、いま優先すべきことじゃないのかな、と思いました。
4要件では「安楽死を望む人の明示の意志表示」が必要だけども、ACPの方針では「意思表示が出来ない場合にも備え、患者の意思の推定が出来る信頼できる家族などの判断により」医療を行うことになっているみたいなので、ここの所がキッチリとクリアにならないと、制度上は整えられているのに現場では動きにくい、というところはたしかにありそう。
4要件の「明示の意志表示」を厳格に適用すれば、医療現場が
「意志表示が出来ない患者が、意志の推定を託した者の判断に従って施した行為」
が処罰の対象になりかねない(意思を示したのが本人じゃないので)。
これは早急に対処すべき問題だよな、と感じた次第。
まあ・・・なんにせよですね。
なお、いま増え続ける医療費の最大の要因は、「高齢化」ではなく、新薬など高度化した医療をまかなうコストだということが判明しています。
残念ながら、「ある世代」や「ある状況の人」を狙い撃ちにすれば問題はすっかり解決、という簡単な問題ではありません。
「死ぬ前1か月の医療費さえ削ればよい」落合陽一氏×古市憲寿氏対談で見えた終末期医療の議論の難しさ(市川衛) - 個人 - Yahoo!ニュース
(強調は引用者による)
ってことなんで。
終末期医療を潰せば未来の子供が救える!!
みたいな短絡には、「俺は」のれないかな・・・ってのが今のところの結論でした。
やっぱ極論に流される前に、先賢の切り拓いた道を参照するって大事よな。
これからも気をつけたい。