譲るべきはどちらなんだろうかと思う。
今朝、外の喫煙所に向かうために自動ドアに向けて突撃して自動ドアの反応が遅いのに盛大に舌打ちしてる人を見かけた。
ニコチン切れると怒りっぽくなるんだよね彼。
それはそれで問題ではあるのだが、それを眺めていて思ったのだ。
なんか仕事とかいろんなことをAIにやらせる、無人化で頑張るみたいなこと言ってるけど、今回の自動ドアのように
「ホモサピ、お前の都合には合わせない、オレはオレの都合で仕事を果たす」
って機械サマが溢れる世の中になったらどうなるんだろうな、と。
自動ドアだからまだいいんだ。
自動改札はバタンとしまって荒ぶってる人たまに見かけるけど。
あんな感じでさ、消費者さまの意に沿わない形の反応を示した自動機械のケツ拭ってるの、結局ヒトじゃないですか。駅員さんとか。
消費者さまが不審な挙動、不可解な動作を繰り返したあげくに機械が突っぱねたとしても
「どうなっとんじゃゴラァ!!」
って喚かれたら駅員さんにせよ、店員さんにせよ機械に代わってアタマ下げてなだめないといけないんだよね。
UIがクソ仕様過ぎて、これはお客様たるホモサピが誤動作起こすような挙動をしてもしゃーない、っていう機械も世の中には数多ある。腐るほどある。よくこれで世の中に出そうと思ったな脳味噌腐ってんじゃないのかお前ら本当に俺と同じホモサピかてめえの血の色は何色だよ? ってなる機械もけっこうある。高速回転する可動部のフタ裏に「CAUTION!」シール貼り付けてあるとか、いったい誰に向けてこいつは注意を呼び掛けてるのかと神経を疑いたくなることもある。オモテに貼っとけよ。デザイン性とか知るかボケ。
失敬。話が飛んだ。
そういう
「それはどうやってもホモサピに誤解される」
なUIは作り直したり改良したりするしかないけども、その辺十分配慮してる機械でも
「うごかねーぞ!!」
ってイレギュラーな想定外の操作を行ってしまうホモサピにかかればアウト。
んで。
AIで人が要らなくなりますぞー、人件費削減でございますぞー、っての、ホントに実現可能なんだろうかね、と。
現状では機械が機械らしく融通の利かなさを存分に発揮したら、そのケツを拭くのに人間がスタンバってるわけじゃないですか。AIってのは現行の機械よりも多少は融通効くんだろうけど、それでも例外的な途方もない人間を自力で処理できるんかよ? と思うのです。
接客、コンビニの応対なんかはAIにすればええやん、みたいなのをたまに聞くんだけど、ありとあらゆる人士が集うコンビニでAIってどれくらいの人が受容するのか、けっこうあやしいんじゃないのかな、と疑ってるんだけど、どうなんだろう?
完全にゼロにするのではなく、スーパーのセルフレジのように、一定台数/人の補助員を張り付けてるようにすれば、1台/1人のレジ操作よりは人件費安上がりになるからええやん、みたいな感覚でいるのかしらん?
だとすると、AIレジなり接客なりがやらかした「お怒りの消費者さま」をなだめるお仕事×一定台数分になるわけで、かえって個々の労働者からしたら労働強化になるんじゃねえかなと思った次第。主に心労的な意味で。
ホモサピが「機械だからしゃーない」って機械側に合わせて生きるようになるのはだいぶ先じゃないのかなぁ・・・と。
冒頭のアレと、反応の鈍い(ホモサピ主観)自動ドアが蹴っ飛ばされて今月二度目の点検呼んだ、というのを聞いて思いました。
俺も自動ドアに無視されるとイラッとするタイプやからね。めっちゃ分かるけど。
奴は普段から反応のスローモーな老朽化したドアだからな。分からなくもないけど。
分かるけどAIやらがもっともっと浸透して「機械に合わせられないホモサピよ滅べ」ってな空気になったら生き辛いだろうな、って思った次第。
ビルごとにエレベーターの速度が違うのにもイラつくレベルの心の狭い俺は、果たして生き残れるのか。
自分に無反応な自動ドアには殺意が湧くのに、他人に無反応な自動ドア見るとちょっとコミカルに感じてしまう性格の悪さも、どうにかしたほうがいいんだろうな。