ものごとが進まないのは万事これです。
覚えておこうね。
人は惰性に流される。
言ってることはだいたい正しい。
行政がやらない言い訳をしてるのもその通り。
けど根本部分で住民サマとやらが煩瑣な手続きを唯々諾々と受け止めて
「その辺改善しようよ」
と言い出さなかったことこそが最大のガンなわけで。
そも、住民基本台帳制度にだって、参加するにあたってかかるゼニの負担がクソなので
「うちの自治体は参加すんなよ接続すんなよぶっ飛ばすぞボケ」
といった住民サマのニーズだってございましたわけでして。*1
今になって非効率を嘆いてる住人・国民こそがガンじゃないですかねぇ。
行政の怠慢は「そこにニーズがなかったから」ってのもけっこうバカでかいのですよ。
行政が逃げ回ってるのもあるけどね。
住民諸氏は
「今まで2週間かかってた諸手続きを電子化で1日かからずに済ませるよ」
ってな利便性の喧伝には「よっしゃよっしゃ」ってなるかもしれないけど
「それにはこれくらいかかるんでそこんとこよろしこ」
って算盤はじかれた途端、めっちゃ渋い顔して「それなら今のままで」ってなりがち。
公務員は減らせ、税金も減らせ、大合唱しておきながら、困った「この一瞬」のためにだけ利便性を追求する国民・住人のが無責任でしょ、と俺は思います。
世の中なんだってトレードオフだって分かりそうなもんだけどな。
なんで公共サービス・公共財には設備更新のゼニは掛からないと思えるんだろうね、国民ちゃん。
派手な土建ハコモノの更新にはめちゃくちゃドンブリ勘定のザルなのに、その辺はけっこう不思議。
いやまあ土建ハコモノも必要ではあるんだろうけどさ。
40年そこらで空港潰して2000m級の新空港作ったら、滅多にジェットは飛んでこない上に定期便が減便されて路線が一つになったロックな故郷のことを思い浮かべると、役所の業務の電子化一つ進まないのはやっぱ需要声のデカさの差だよな、と思わずにはおられないです。
そんなところにカネぶち込んでたら回るもんも回らねえよ。
書き終わって思い出したけど、マイナンバー制度の最初の頃だかの強い反発って
「役所の徴税がめちゃくちゃスムーズになる」ってところが喧伝されたのが大きかったような記憶がうっすらある。
どこで見たのかあんま思い出せないけど
マイナンバー後の世界では、
「オマエラ国民ちゃんが生活費入れてる口座があるやろ?
そこからオマエさんが生活費を引き落とすのに先駆けて、役所が税を盗んでいくんや」
「どうだ怖いだろう」
みたいな感じの奴。もちろん当時も否定されてた。が、印象には残っている。
今の給付のダラダラ感ってその頃の印象もけっこう影響してるんじゃないだろうか?
「徴税の利便性がググっと上がる行政に都合のいいだけのクソ制度」
というイメージが強すぎて
「給付や還付などもスムーズにいく国民にも利便性のある制度」
とは捉えられてなかったのでは、といま思いついた。根拠はない。
けどカネは毟り取られるもので入ってくるもんではない、という肌感覚からすると、マイナンバー絡みのアレコレが進んでないのは、この種の心理的抵抗もデカいんじゃないかしらん、という気もする。
今回の給付、オンラインで済ませた人はその速さを実感してる人も多いようだから、これから役所へ「電子化しろ」みたいな要求も高まっていくんじゃないのかしら…という気もするのだけど、どうなんだろうね?
*1:裁判まで起こしてたところもありましたね、なかなか大袈裟だが、投票で曲げられないならこれくらいやるのがたぶん筋よな、とも思ったり。