afurikamaimaiのブログ

この道は行き止まりだ。引き返せないよ。

昼間に昇る月の。

あの透き通るような影。

 

なんだけども、ときどき雲と見分けがつかないくらいに白くて薄い。

この場合どちらを薄いと言えば良いのか。

雲が薄いのはそうなんだけども、月の方も夜の輝きに比べれば「薄い」と言えるのではないか。

夜の場合、薄い雲を通して輝く月がおぼろに見えたり、それよりも厚い雲だったら覆われてしまうと所在不明になったりする。

昼の月の場合は、透けたり、隠れたり、というのは確かにあるんだけどもそれともう一つ、絶妙に薄い雲と被ると、その薄さの中に輪郭が溶けてしまうというのがある。

 

今日見た月がそうだった。

 

月の前を流れる雲の薄さがちょうどいい塩梅だったのか、そこそこ大きな塊が流れてくると、月の模様は目を凝らせば透けて見えるのだけど、輪郭がぼやけていた。

雲の方が動きが烈しいので、そうしてぼやけた中にも動かない模様をじっくり追っていれば、月がここにあるぞ、ってのいうが分かるんだけども、うっかり目を離すと月がどこに行ったか分からなくなりそうなくらいに溶け込んでた。

ちょっとしたイリュージョン? みたいな光景。

分厚い雲に遮られて見えなくなるのとかはよくあるけども、見えそうで見えない、けどちょっと見えてるこの微妙さが少し感慨深かった。

存在感の薄いもの同士でも重なることで意外性を発揮することがあるんだな、とそんなことを思った次第。

透き通るように見えてぜんぜん透き通ってないよ、存在感アリアリだよ。

くしゃみしそうになってたまたま見上げて気づいただけで、意外としょっちゅうこういう雲と月の溶けあうようなそうでないような光景は繰り返されてるのかも。

ふだん空見上げないからな。何が起こっててもおかしくない。

ちょっと意識して空を見上げるようにしたら、もっともっとおかしな光景がみられる気がする。