afurikamaimaiのブログ

この道は行き止まりだ。引き返せないよ。

いいえ、あなたたちは知っていた。

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p-shirokuma.hatenadiary.com

 

まあ子供いないからわかんないんだけどね。

別にロジックでそれを否定してるわけじゃないんだよな。

むしろよほどエモい理由。

 

優生保護法のこれもなんだけどさ。 

「混血児」の戦後史 (青弓社ライブラリー)

「混血児」の戦後史 (青弓社ライブラリー)

 

 家族や子供という『錦の御旗』を手に入れた時に自分が他者にどのように害をなすことになるのか、というのを考えると恐怖しかない。

甥や姪であってすら

「他所の子より優先するの当たり前やん」

「他所の子の幸せよりは、この子らの幸せ願うかな」

ってナチュラルに考える程度には酷薄。

 

それでも、余裕があるうちはいいんだろ、たぶん。

けど余裕がなくなって、限られた資源を他人と仲良くシェアしなさい、となった時に

「いいや俺の係累こそ優先されるべきだね」

ってムーブ起こす自分がありありと目に浮かぶので厭。

 

子どもを優先するのは、圧倒的に正しい。

生物として間違いなく正義。

 

だからこそ厭。

自分という人間の性根の卑しさを思うとね、その正義に乗っかって暴走するのがすごい容易に想像できる。

あるいは子供を得ることで何か人間革命的なことが起こるのかもしれんけど。

 

今の俺なら

「おれの子大事やん」

って人を裁量して

「こいつは赦す、こいつはアウト」

ってやる。そうやって人のパイを奪う。

んで、後にその人でなしなムーヴに非難が集まったら

「家族を守るためやん、俺頑張ったんやで!」

ってぜったい言う。間違いない。その程度には性根がクソ。

 

他の路、ひょっとしたら他者も自分も救いうるかもしれない道をろくに探しもせずに、安楽に流れて他者を踏みつけぶん殴っておいて、その振舞いをした自分自身の責任を逃れて

「あの時はああするしかなかったんです、家族のためなんです」

みたいに振る舞うの。

 

まあ卑劣である。

卑劣であることをそこそこ自認している自分から見ても聳え立つクソである。

こうはなりたくないね、と。

ぜんぜん合理的でもロジカルでもない。

ただ「厭だなそんな自分」って思うだけ。

ネガティブに考えすぎやろ、って自分で思わなくもないけど、心の余裕も経済的なバッファも人並み以下なんで、そんなにズレた予想図でもない気がしている。

 

正しさに夜郎自大する卑しさを自認するから、正しさからは距離を置きたい。

正義を行使する側になった時、自制できるほど自分は強くない。

そんな感じ。

亀は鈍く歩く。

自分用しおり。

昨日の続き。

一晩おいて気付いたのだけど、これ危険運転致死傷罪の導入当時の展開に似てるな、と。

危険運転致死傷罪の成立前にも、いろいろ悲惨な事故があった。

 

時系列

 

1999年 東名高速飲酒事故

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/641/005641_hanrei.pdf

民事裁判の判決書。4-5Pさらに、10-11Pに被告(と被告を使用していた運輸会社)の詭弁を断罪するかなり強い調子の言葉が並んでる。

まあそこまで言われてもしゃーないくらいにひどい内容だったんだな、と当時を思い出す。

 

2000年 小池大橋飲酒運転事故

www.townnews.co.jp

 

判決探したけどなかった。けどまあ伝えられる限り酷い事故。

 

この辺があって

2001 危険運転致死傷罪

ってなって、やれやれこれで…と思ってた時にいっぱい印象的な事故が発生する。

 

2006 福岡海の中道大橋飲酒運転事故

詳しくはWikiとかに書いてあるんで割愛。

ただこの事故、一審の時にせっかく新たな武器として渡されていた

危険運転致死傷罪」の適用を地裁が退けてる。

 

高裁判決。たいへん面白い。

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/658/037658_hanrei.pdf

1審の「わき見直進可能」→「じゃけん、わき見が主因・飲酒は因果薄い」という結論に対し

2審では

「スムーズに直進可能やと思うやろ?」

「けど微妙に曲がってるんや」

「1審では11秒超の長時間わき見による直進が可能と判定したけど、無理」

「実験繰り返したけど、そんな長時間わき見してたら、3~5秒に1回ほど当て舵せんと縁石にぶつかるでクラウンマジェスタ

という検察の主張を容れる形で飲酒運転を事故原因として認め、危険運転致死傷罪を適用。

って流れ。

 

うっすらとした記憶しかないけど

これ以前にも危険運転致死傷罪の適用回避の事故が複数件あって

「これあっても使えないクソ法じゃねえか」

みたいな反発が渦巻いてたような記憶がある。

これほど明白な飲酒事故でも適用できないとなるとおかしいだろ、って1審はボッコボコにされてた記憶もある。

 

今回の事件の判断も、こういう流れになるのかな、と。

何となく感じている。

検察の捜査手法の拙さもあって突っ込まれるところも多々あったろうけど、

1審は劇的に法が改正されても、新法に従ったとしても、従来の流れを大きく逸脱した判断をするのが難しい、みたいなところがあるんじゃないのかしら?

 

福岡の事件の経緯と一緒くたにするのは拙いんだろうが、1審と2審の逆転はおおいにあり得ると思う。

落ち着いて経緯を見守るのがよろしいのではないか。

 

 

って他人事みたいに言えるのは自分に被害が及ばない、っていう楽観があるからなんだよなぁ。

自分事と考えたら落ち着いていられないのも当然。

東名高速の飲酒事故については、当時にしては珍しく動画が残っていて割と目にする機会がありました。そして報道特番などで運悪く見かけるたびに

「こいつ殺していいんじゃないかな」

って自分でも思いましたので。*1

 

ただこういうことをする前に、もう少しだけ信じてみるのもいいのではないかしらん?

www.google.com


口コミが酷い…

 

苛立たしくなるほどトロくさい歩みでも、たしかに前に進んでいるんだという明るい面を見たいです。

未だに悪質な飲酒運転は後を絶たないけれども、それでもかつてに比べればだいぶ減りました。

適当な資料がないのであちこち継ぎ接ぎだけど

 

https://www.mhlw.go.jp/topics/tobacco/houkoku/dl/100222f.pdf

 

飲酒運転撲滅の啓蒙サイトの奴だけど

P13に1990~2008の飲酒運転死亡事故のグラフが提示されてる。

 

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12205250-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kokoronokenkoushienshitsu/s_5_8.pdf

 

警察庁資料。

2Pに平成10(1998)~平成26(2014)までの飲酒運転事故数、うち死亡事故数のグラフがある。

 

大雑把に言って。

平成の30年でずいぶんな変わりようじゃないですか。

過去がそれだけクソだったということでもあるんですけれど。

けどそのクソを放置しなかったからこその今があるわけで。

それでもどうしたって不満はあるけど、手も足も出なかった過去を思えば。

 

性犯罪関連も、思えば尊属殺とかいう「トチ狂ってるのかな?」って認知が当たり前のように通用してたクソのような過去があって、それに抗って切り拓いてきたから今があるのだと思います。まだまだ不十分であっても。

意に沿わない結果になった時、その判断を下した者だけを吊し上げることで果たして未来は切り拓かれるのかっていうと、それはないと思う。

 

上記の飲酒運転事故の時の俺の反応もそう。

東名高速事故のトラッカーも、福岡事故のクラウンマジェスタも、殺したり吊し上げたりしたら、さぞ俺はスッキリしただろうなって思う。

けど、それでなんか状況変わるのかよ、って。

クソみたいな犯罪者を一人二人私刑にしたところで、クソみたいな犯罪者が次々ポコポコ発生するのが変わらないんなら意味ねーじゃん。

クソみたいな犯罪者を取り締まるための法規に、実体を与えるために、実効性を持たせるためにはそんな気分スッキリは無意味。

 

飲酒運転者が逃げ得しそう、というニュースを聞くたびに腸が煮えくり返る思いがしていたし、今もする。これは多分、今回の事件の地裁判決を聞いて憤りを感じている人たちの気持ちと、似ているんじゃないかな、と勝手ながら思う。

 

その気持ちを抱えるのは非難するつもりはないけども、その気持ちに任せて苛立ちをぶつけるのは決して生産的ではない、と過去の自分の振舞いを自戒した次第。

 

遅々とした歩みでも、きっと少しずつ良くなっていると思うんだけどね。

楽観すぎるかもしれんけど「今は夜明け前の一段と昏くなるっていう、アレみたいな状況なんじゃね」って捉えたい。

*1:ネットの動画サービスにも転がってるかもしれませんが、見るのはお奨めしません。責任転嫁・責任回避がすぎるクズの振舞いに反吐が出ます。俺が酒呑みに対しては異常に酷薄なのを抜きにしても、これを好意的に見るのは無理でしょう。

またも見失った人の道。

自分用しおり。

 

増田で見つける。増田は知恵蔵だね。

anond.hatelabo.jp

 

今回の検察は録画・録音していたという点で相対的にいえばかなりマトモな部類に入ると思いますが、そんな人たちでも調書の捏造とかやっちゃうんだ……と慄然としました。

 

えっそれはさすがに拙いのでは。

元記事を見つける。

 

news.yahoo.co.jp

 

ガチやんけ。

 本件では、少なくとも検察の取り調べの際には、録音録画が行われていた。おそらく弁護人からの請求があったのだろう、裁判所はこのDVDを検討し、その結果を判決で次のように書いている。

〈(調書の)同供述部分に対応する被告人の供述が見当たらないか、取り調べを担当した検察官が断定的に問い質した内容に対して被告人が明示的に否定しなかったことをもって被告人が供述したかのような内容として記載されていることが確認できる〉

出典:判決書

 要するに、被疑者が言いもしない供述を言ったかのようにして調書に記載していた、ということだ。

 

うーん。

これ拙いよね。

 

たぶん人としてはだいぶん間違ってると思うんですけど、有罪でなくて当たり前なんじゃないかなぁ、って。

こういうストーリー仕立てで責めるのに「お前ギルティ!!」ってなるの怖えよ。

いくら真犯人であったとしても。

そういうの必要なくねえ?

いやマジで。

 

嘘ついて貶められる、それも最悪のズンドコに、って方がヤダよ俺。

人の心が足りんのかな・・・やっぱり。