全編読むと面白いよ。
数字もついてきてるから、考え方としては面白い。
ただこれ、全体に敷衍するのはホントにやばいんだよね。
経営屋の信念としては尊重するけど、経営屋誰もがそう考える、みたいなのはアウト。
だから制度をなくせばいいわけですが、ここで問題なのは、今まで残業手当として支払っていた分を会社が取り込んで、社員に払わなくなることです。今まで払っている金額は、どんな形でもいいので社員に払ってあげないといけません。生産性を高めて残業代を減らしても、節約した分が会社の利益に上乗せされるといったら、社員は動きません。浮いた分は社員に還元すべきです。
べき論なんで、「還元するかどうかは、経営屋の良心に委ねる」」ってことになるのよねここ。
裁量労働の実態が実にお粗末(※中には上手くやってる会社もいますが)で、
にも拘らずそのお粗末な実態がばれないようにデータ偽装・隠蔽して対象職種の拡大をめざした法案を提出して、偽装がばれて撤回せざるを得なくなったことを「残念」がってるのが経営屋たちなんです。
吾は労働者なんで
裁量労働の不正な実態を改善するほうが先じゃないかな とか
思いますが、まあそこは立場による優先順位の違いだししゃーないということで。
ただね。
裁量労働の拡大のために、実態を覆い隠し、いかにもバラ色になるようにデータを偽装・隠蔽した厚労省とそれを全力アシストした経営屋たちに
浮いた分は社員に還元すべき
なんて精神論が通用するのかなぁ、って。吾ははなはだ疑わしく思っている。
カルビーの会長単体の意見として
「オレたちは、やる」
ってんなら是非やれ、って思うんだけども、そこにぶら下がって
「じゃけん残業手当廃止しましょうね」
って部分だけつまみ食いして、労働者への還元「べき論」はスルーして
生産性を高めて残業代を減らしても、節約した分が会社の利益に上乗せ
って方向に突っ走る連中が無限に湧くのが目に見えるようなので、何だかな、と思うのです。
理念としては大変よく分かるところもあるんだけど。
ちゃんと結果も出してるのも、素晴らしいと思うんだけど。
それは御社の話ですよね、弊社ならばきっと利益に上乗せ、配当に回します。
って人があまりに多いのでブクマが否定的な方向に流れるんだろう。
経営側も労働者に還元しなければならない環境を「半ば強制的に」作り上げないかぎり、残業手当廃止というご高説の通るスジはなかなか立て難いんじゃないかなって考えます。