活計の都合上、クレームとはそれなりに縁がある。
面白いのはクレーマーは自身の「行為そのもの」の非は認めることが多いということ。
たとえ話になるがある施設で「しゃがみパンチ禁止」というルールが設けられていて、それをやっちゃってる客を見つけた従業員が「ここではそれは禁止ですよ」と注意したりすると、クレーム発生。
クレーマーは「しゃがみパンチをしたこと」自体は申し訳ない、
けどお前のところの従業員の注意の仕方が気に入らない!!!!! という具合に怒りステージを切り替えてくるわけですね。
ルール違反はルール違反なんだから知るかボケ、と僕なんかは思うのですが
(しゃがみパンチ禁止、という類のルールが謎すぎる、というクレームなら多少は同情する。施設側にも大いに再考の余地アリだコレ)
さらに上のほうではこういう案件の場合、「従業員の態度に問題アリ」って認識しちゃうわけです。
あのさぁ・・・じっさいその場で退治対峙してないから想像しにくいのかもしれないけど、こういうのってクレーマーにとってはすごく分かりやすく「メンツの回復」が最大の目的なんですよね。
クレーマーさんはアタマを下げるってのが苦痛でしょうがないんですよ。
だから、オレがアタマを下げるのと同様にオマエ(従業員)もアタマを下げろ、それでお互いメンツ丸つぶれでチャラや。
ってな感じで動いてるのがだいたい透けて見える。
まるっとルサンチマンな感じのおかしなロジックだけど
「ルール違反を犯したオレ」≒「オレの主観で態度の悪いオマエ」
くらいで過失相殺になるか、若干自分の過失度合いのほうが低いくらいに畳み掛けてくるわけです。
端から見たらどうやったらそれが天秤になるんだよ? って謎だったのですが、クレーム事案に馴れるにつれ、そういう風に彼らのアタマの中では回路が出来上がってるんだなってのが理解できるようになりました。
だからとりあえず従業員にアタマ下げさせておけばいいんや、って上のほうは考えてるんだろうなぁ・・・理屈は分かっても納得はぜんぜん出来ませんけどね。
ルール違反は見つけて注意しろって教育してそのとおりに動いてるだけの従業員に落ち度はないわけで、それでたまたま面子スイッチ入っちゃったクレーマーにアタマを下げろってのはよっぽど鈍い人間でもないかぎりストレスたまりますよ。
あちこちから苦情が頻発するような「注意の仕方があまりにも高圧的」な従業員もごく稀に居るけど、そんなのじゃないのがじわじわ削られているのを見るとなんとも言えない気分になります。
現場の負荷ってこういう些細なことの積み重ねでキツくなってるんじゃないかなと思う今日この頃。
クレーマー(客)のメンツは守ってやるけど、従業員の面子はそれより軽いって上の考えはじんわり広がってるんで、なかなかお仕事の空気は重いです。
社会人として理不尽な現実に慣れろよと仰いましても、その理不尽を解消するために努力するフリくらいはしないと、従業員はどんどこ減っていくばかりということにそろそろ気づいてはくれまいか。
・・・まあ自分もとばっちりで絡まれるのめんどくさいんで、こっちに飛んでこない限りは傍観しておこうという小心者なんであまり強くは言えないんですけどね。
やっぱ仕事ってクソだわ(直球)。