なんで説明しないの記事。
以下雑に俺が知ってる範囲で懸念してることをメモ。
もっとちゃんとした話はどこにでも転がってるんでガチンコ俺専用しおり。
・農家の自家播種・自家栽培がアウトにされちゃう。
この懸念については農水省他、法案サイドの言ってることちゃんと読めば、かなりの程度払拭される。
拙速であることはやはり批判されても仕方ない面はあるけど
高級ブランドの開発コストの回収などを考えれば、これの保護に動くのは自然かな。
品種の海外流出の懸念に対しては、
種苗法は海外に適用できない
し
侵害事例を監視・摘発する実効性
については、法案ではほとんど担保されてないので喧伝されているような効果は期待できない。
んで。
最大のガンはこれだと思うの。農業競争力強化支援法。
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/tizai/brand/kentoukai/attach/pdf/dai1kai-9.pdf
特に、農業競争力強化支援法におきまして、都道府県の試験機関の有する種苗生産の知見というのを民間に提供するということになりますが、特に外資規制がないということに対する現場の不安は大きいわけであります。
※P14下段、強調は引用者による
という懸念に対して、あんまり保護・規制が進んだという話がない。
回答としては都道府県の意に反する知見・品種の流出はないと「思われる」その上で今後も検討していきたいね、というすんごい頼りないもの。
これで国内の種苗業者はモンスターどもと闘わなきゃいけないわけですよ。
種苗専業農家が減少して行くのを阻止するのが主眼であるはずなのに、国産種苗メーカーを丸裸で戦場にぶち込む羽目になりかねない。
ここがいちばん懸念されるところだと思うのですが、どうだろう。
国内の種苗農家・種苗メーカーを保護するために雑な隣国へのムカつく流出を抑えたい、種苗を購入している農家からの還元を高めたい、というのはいっぱい分かる。
分かるけど。
すでに外資への技術流出の障壁がめちゃくちゃ心許ない状況*1で、自家採種を制限して購入のみに制限したら・・・これ逆に種苗メーカーを追い詰めることになりかねないんでは?
規模がぜんぜん違うから品種改良とか力業で圧倒されたら、国内の種苗農家もメーカーも死ぬんではないか?
って。
今はまだ自家採種で国内・外資問わずタネを絶対に購入しなければならない状況に追い込まれてないけど、自家採種が規制されちゃったら、恩恵を受けるのは現状では国内のメーカーではなくて、今までに農研機構・農業試験所が蓄積してきた品種・知財を国内メーカーと同条件で活用できる外資に圧倒されちゃうんじゃないのかしら?
そんな懸念を持ってるので、今回の見送りは良かったんじゃないかな、と思う次第。
外資の圧力に対抗する障壁が確保された後で、国内の種苗メーカーを保護することが担保された後でなら、そんなに悪い筋の話じゃないとは思うんだけども。
*1:農業競争力強化支援法8条4項