ちょっぴりエッチなタイトルになったのはこの記事を読んだせいである。
てかホントは今日はこれを書くつもりやったんや。

- 作者: アーサー C クラーク,福島正実
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2012/12/21
- メディア: Kindle版
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GWの頭くらいに「これを読め15選」みたいな記事で推されてたので、ダラダラ読んでた。
いうほど徹夜間違いなしじゃねえよな、って序盤は思ったけど、中盤以降の展開はスリリングやね。
序盤の雰囲気もいいんだけど、オーバーロードが正体あらわした後の方が好きかな。
掌で踊らされててムカつく、そのエネルギーが内に向かうか、外に向かうか。
その分岐した後が面白い。
何といっても人類の終焉がいいね。
素晴らしい。
争わないんだけど、君たちもうどうしようもないんだよ、って感じがすごい良い。
クラークさんはあれだ、ホントにひどい(褒め言葉)。
これほどの断絶をよくぞ思いついた。
想像するしかないけど、ご家族のいらっしゃる人にとっては辛すぎるオチだろうなっておもう。しかしそれだけにとても効果的な結末。ある程度「知ってた」になるジョージ夫妻や、ニューアテネの市民はいいけど、それ以外のご家族にとってこのオチの辛さはいったい如何ばかりか。
ぶっちゃけ、現生人類なんざどうでもいいんだよ。
ってクライマックスでこれでもかとばかりに描写されるのもいいよね。
絶望した?
ねぇ絶望した?
って地味に煽ってるオーバーロードも鬼畜。ホント素晴らしい。
あなたがたがこの世にもたらしたものは、
産みの親のあなたがたとは まったく相容れないだろうもの
あなたがたの欲望または願望の、一つとして分かち合うことのないであろうもの
あなたがたの成しとげた最大の業績をも、児戯に等しいナンセンスとみなすであろうもの
ーーしかも、すばらしいもの
まったく切断されてるのに、それが「素晴らしいもの」だから怨むに怨みきれないこの感じ最高。
だからと言って、諸手を挙げて喜ぶ気にもなれないのも最高。
中途半端な落ち着かない気分のまま「お前らここで終わりじゃよー」ってなるのがもうホント最高。
たぶんそういう作品じゃないんだろうが・・・いや、いちおう不愉快になることは想定していたようだけども・・・、この破局のカタルシスが不快感をいっぱい上回る。
滅びる話は好きだったけど、この種の救いのなさはほとんど初めてだったのですごくおもしろかったです。今まで読まないで損してた。
未読の方には是非おすすめです。
旧いけど、読んで損はしない傑作だと思いました。
テレビのシリーズものに遅れないようについていくのが、一日がかりの仕事にもなりかねないのです!
とか、端々に出てくる未来予想も見所ですので、是非。